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Fuji Sankei Business i on the Web 知 的 財 産 サ ロ ン:『フジサンケイ ビジネスアイ』オピニオン面「知的財産サロン」毎週金曜日掲載

2004/4/23紙面掲載
あなたもなれる? 発明長者[8] 特許評価の考え方
知財専門の窓口を活用しよう
より具体的な対応は仲裁センター
(「知財情報&戦略システム」中岡浩)

■すぐ会社に相談するのは軽率!■

 研究者が自分の行った職務発明について、「製品は売れているのに、自分の特許に対する企業の評価はどうもおかしい」と思った時に、どこへ相談に行けばよいのだろうか。
検討が進められている特許法改正では、今後は研究者(従業者)と企業は発明がなされる前にしっかりとした話し合いをした上で、個別契約を結ぶことを勧める、という方向にある。具体的に言えば、企業が知財部門や人事部門などの社内窓口を用意し、研究者に対して話し合いのための門戸をきちんと広げておかねばならないようになる。
 しかし現状では、企業にそのような名称の部署があったとしても、早々相談に行き、率直に疑問を打ち明けるべきではないだろう。もし在職中ならば、それはいささか軽率な判断かもしれない。
最近、高額な報奨金の支払いを求めた職務発明訴訟が起きているが、原告のほとんどは被告である当該企業の退職者であり、すでに他の大学や企業に転職している。この理由は、在職中の企業との話合いには大きなリスクが伴うことを知っていたからである。
 知財を専門に扱い大企業の顧問を務めるある弁護士は「訴訟を起こす意思があるかないかを問わず、研究者が企業へ職務発明の対価についての疑義を唱える場合は、いざとなれば企業を退職するという覚悟が最初から必要になる」と言い切る。
 研究者は、企業側へ接触する前に一度、外部の専門家に相談して対応を検討しておくことが不可欠だろう。在職中であれば、企業へ相談に行くのは色々な準備を終えてからの方が無難である。


■最初は無料の公的相談窓口へ■

職務発明での相談をするならば、まずは身近にある公的な相談窓口の利用がよいだろう。公的な相談窓口は広く知財に関連する相談を受け付けており、専門家への相談が無料で気軽に受けられるメリットがある。当然、秘密も守られる。
ただ個別の事案に踏み込んで助言はしてくれない。あくまで一般的な対応方法や手続きに関する基礎的な知識の提供が主体となる。職務発明での問題を解決するための一次的な相談窓口としてうまく活用したい。
 公的な相談窓口は特許庁の関連団体や自治体が運営しているものがある。
 社団法人発明協会は、全国四十七箇所に置く支部で無料相談会を実施している。誰でも利用でき、対応するのは知財に関する専門知識を持った職員だ。面談は一回三〇分で、予約も可能。また、電話での相談もできる。
独立行政法人工業所有権総合情報館・相談部でも無料相談を行っている。
 特許庁が認定する各地の知的所有権センターにも利用できる無料相談がある。例えば、東京都知的財産総合センターは、都内四箇所で無料相談を実施している。相談員には各技術分野の専門弁理士、弁護士などをそろえる。一回につき原則一時間。相談内容は、契約や訴訟についてのかなり専門的な相談もできる。面談は予約も可能。
 民間機関では、日本弁理士会で無料の常設特許相談室を東京、名古屋、大阪、福岡に設置している。事前予約制で相談時間は三〇分。弁理士による専門的な相談が可能。個別案件についてもっと踏み込んだ相談をしたい場合は、相談を受けた弁理士にそのまま依頼もできる。この場合、日本弁理士会としての相談とは別で、弁理士と直接契約(有料)することになる。
 各地の弁護士会の法律相談を使うのも一手である。比較的に低料金で行っている場合が多い。例えば第二東京弁護士会では法律相談センターを都内八箇所に設置、相談料は三〇分で五二五〇円、以降一五分ごとに二六二五円。事前予約が必要だが、この際に忘れずに特許の専門弁護士を依頼しておくことだ。


■弁理士なら付記弁理士を選ぶ■

次に、より具体的な対応策を探る相談をする場合の機関を紹介する。最も適するのは、裁判外紛争解決機関(ADR)のひとつである日本知的財産仲裁センターだろう。日本弁護士連合会と日本弁理士会が共催するもので、東京、名古屋、大阪にある各事務局で知財紛争についての様々な相談業務に応じている。
 同センターでは発明者が抱える個別の案件について、例えば職務発明の評価についてまで他の機関よりもつっこんだ相談ができるので、今後企業と折衝した方がよいか、やめた方がよいか、また手段は調停や仲裁がよいか、裁判がよいかなどを判断する際の参考になる。
 相談後、そのまま同センターで調停や仲裁の申し立てに移行することもできる。この際、相談した弁理士や弁護士をそのまま代理人に依頼することもでき、改めて専門家を捜し説明する手間を省くことができる。
 同仲裁センターで相談業務に対応するのは同センター運営委員会の委員で、弁護士、弁理士とも各十五人で構成されている。相談料は一時間一万五百円、以降三〇分ごとに五千二五〇円。調停や仲裁の申立てには別途費用がかかる。
 弁護士、弁理士事務所に直接相談に行くという手もある。弁護士の場合、各地の弁護士会のホームページで検索して知財に詳しい弁護士を捜すか、弁護士の法律相談に行って知財専門の弁護士を紹介してもらう。
弁理士の場合も弁理士会のホームページで検索できるが、特定侵害訴訟代理業務の研修を受けた付記弁理士もしくは訴訟の補佐人の経験を持つ弁理士を探すことがポイントだ。また弁理士は機械・電気・化学など専門分野を持っているので、自分の発明分野にマッチする弁理士を選ぶのがコツだ。
 弁護士や弁理士の報酬は現在、依頼者との間で自由に設定できることになっているが、一般的な目安としては、相談料が三十分〜一時間で五千円〜三万円程度はかかるとみておく必要がある。


■相談時には準備を怠り無く■

どの相談機関に行く際にも、事前準備は重要だ。限られた時間の中で効率的に説明し、相談員から多くのアドバイスを得られるようにしたい。
 用意する物は、@事実経緯と申立てたい内容を簡便にまとめたものA企業の就業規則、報奨規定、雇用時の契約書等B受け取った報酬の明細C特許公報、明細書、製品説明書など技術の内容が分かるものD当該特許の利用されている製品と利用状況を説明できる資料E当該特許の収入や特許を使った製品の売上が分かる資料F開発の際に使ったノートやメモ類G企業の概要が分かる資料――などである。

(「知財情報&戦略システム」中岡浩)

(ミニ用語解説)

◇裁判外紛争解決機関(ADR:Alternative Dispute Resolution)◇
裁判外紛争解決機関とは、紛争当事者間の話し合いで、調停人による和解を進めるか、もしくは双方が認めた仲裁人による仲裁を目指す機関である。仲裁人の判断には判決と同じ効力がある。裁判を行うより安く迅速な解決が図れる。また非公開であるため企業や個人が秘密裏に話し合うことが可能で、当事者は裁判のように世間の目や風評に晒されることもない。裁判に替わる効率的な紛争解決手段として注目されているが、申し立てに対して相手方が応じない(不受理)場合、裁判所のように出廷命令を発することはできない。
・ 社団法人発明協会(全国47箇所) 東京支部・電話03-3502-5438http://www.jiii.or.jp/shibu.html 
・ 東京都知的財産総合センター(都内4箇所) 電話03-3832-3655
・ 知的所有権センター(全国58箇所 *一部発明協会支部と重複する) http://www.jpo.go.jp/torikumi/chiteki/chiran.htm
・ 弁護士会(全国50箇所) http://www.nichibenren.or.jp/bengoshikai.html
・ 日本弁理士会・常設特許相談室(東京、名古屋、大阪、福岡) 電話03(3519)2707http://www.jpaa.or.jp
・ 日本知的財産権仲裁センター(東京、名古屋、大阪) 東京本部事務局・電話03(3500)3793http://www.ip-adr.gr.jp


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