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カーボンナノチューブの可能性とベンチャーが果たす役割
2001.9.20 - written by ipweb editor -


カーボンナノチューブとは?

1991年にNECの飯島澄男氏が発見した、炭素原子が円筒状になった物質。直径が、1から数十ナノメートル程度で、単層のものや 何層かが同心円状に重なった多層のものも、コイル状のものなど も存在する。熱伝導性が金属かそれ以上で、ダイヤモンド並みの 高度を持つなどの特徴がある。現在、FED(フィールド・エミッション ・ディスプレイ)や燃料電池、水素貯蔵材料、センサー、高性能樹 脂など幅広い分野での応用が期待されている。


カーボンナノチューブ最新研究

このように、カーボンナノチューブは多方面への応用が期待されて いることから企業はもちろん、アメリカや日本など国レベルでの研究が盛んに行われている。 8月30日、NEC、科学技術振興事業団、 産業創造研究所は、カーボンナノチューブの一種「カーボンナノホー ン」を電極に採用した小型燃料電池を開発したと発表。昭和電工 では、(財)ファインセラミックスと共同でカーボンナノチューブの量 産化に取り組んでおり、現在、1時間に200gの生産が可能な試験 プラントで実証試験を行なっている。実用例としては、FEDがそうだ。 伊勢電子工業(三重県)では、三重大学と共同でカーボンナノチュー ブを電子銃に用いたFEDを開発した。同様のFEDは東北大学とシャープ、韓国のサムソン電子も開発を進めている。


日本のナノテク特許動向

ここで、日本のナノテクノロジーの現状を特許の出願状況から見て みると、日本でのナノテク関連特許の出願数の多い企業はエレクト ロニクスや精密機器メーカーが上位を占めている。JRCや国家プロ ジェクト参加機関、政府系研究施設の出願数も著しく増加している。 このように多くの企業がナノテクノロジーに興味を示しており、盛んに 研究開発を行っていることは特許の出願動向からも伺える。なかでも 汎用性が広いカーボンナノチューブ研究はナノテクノロジーの大きな 柱といっても過言ではなく、カーボンナノチューブ関連の特許も近年 多数出願されている。なかでも多いのは製造法に関する特許だ。 現段階で出願しているのはNEC、大阪ガス、三菱化学、島津製作所、 石川島播磨重工業、トヨタ自動車など12社。今年になって国内で 公開されたのは、NEC、伊勢電子工業、大阪ガス、東芝、ソニー、 産業技術総合研究所(旧工業技術院)、日進ナノテック(韓国)の6社1機関だ。低コストで安定した製造法を開発し、その製造法を基礎特許 として活用することでナノテク分野での優位性を得ようとする各社の 戦略がうかがえる。


ナノテクベンチャーへの期待

前述の特許の出願状況を見てもわかるように日本のカーボンナノチュ ーブ開発は企業、政府系の研究所が中心だ。しかし、カーボンナノチュ ーブを代表とするナノテク分野の研究、開発は政府もライフサイエンス や環境、情報通信などと並ぶ重要分野と位置づけており、今後一層 活発になり、国内だけでなく国際間での競争も激化する。そのような 状況が訪れたとき、第一線の研究、開発を担うのはベンチャーであろう。 大企業や大手メーカー主導の研究体制には限界がある。リスクを回避 するという意味でも、今、求められるのはベンチャーの出現だ。投資の 世界では、もうすでにこのような動きに対応しようとするものも現れ始め ている。大手商社の三井物産は自ら実験プラントを持つ開発会社3社を 設立。5年間で100億円を投資し新素材の量産技術を開発する。三菱商事では、1億ドルのナノテクファンドを創設する。従来型の取引仲介ビジ ネスが先細りとなる中、ナノテクノロジーという最先端の技術開発、製造 に活路を見出そうとしている。アメリカではもうすでにナノテク分野でも盛 んにベンチャーが活動している。ナノテクノロジーで世界を一歩リードして いるといわれる日本が引き続き世界をリードしていくためにはベンチャーの活躍が大きなかぎを握っているといっても決して過言ではない。



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